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金属アレルギーのパッチテストの解説

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金属アレルギーのパッチテスト

金属アレルギーのパッチテスト

歯科用材料に使用されている物質による、アレルギーの有無を調べるための検査です。

接触アレルギーが存在する場合、炎症のある部位だけでなく、全身の皮膚が一様に感作されているので、健常な皮膚に抗原(アレルギーの原因となる物質)を接触させても、接触性皮膚炎が再現されます。
パッチテストは、この原理を応用して、接触アレルギーの抗原と考えられる様々な物質を貼付することにより、原因となる抗原を調べる方法です。
検査薬を滴下したテスト用テープを、基本的に2日間皮膚に貼り、その後、皮膚の反応を観察します。

当医院では、17種類の金属に対するアレルギーの検査を、行うことができます。

パッチテスト試薬金属組成(成分・含有)原因物質の一例
塩化アルミニウム(Aluminum Chloride)1ml中 塩化アルミニウム 20mg含有歯科用セメント、歯磨き、医薬品、化粧品 等
塩化コバルト(Cobalt Dichloride)1ml中 塩化コバルト 20mg含有医薬品、セメント、メッキ、電気 等
塩化第二スズ(Stannous Chloride)1ml中 塩化第二スズ 10mg含有歯科用材、合金、医薬品、顔料、缶製品 等
塩化第二鉄(Ferric Chloride)1ml中 塩化第二鉄 20mg含有歯科用材、医薬品、化粧品、製皮、建材 等
塩化白金酸(Platinous Chloride)1ml中 ヘキサクロロ白金酸 5mg含有歯科用材、合金、金属装飾品、メッキ 等
塩化パラジウム(Palladium Chloride)1ml中 塩化パラジウム 10mg含有歯科用材、合金、腕時計、眼鏡フレーム 等
塩化マンガン(Manganese Chloride)1g中 塩化マンガン 20mg含有歯科用材、特殊合金、医薬品、ほうろう 等
三塩化インジウム(Indium Trichloride)1ml中 三塩化インジウム 10mg含有歯科用材、低融点合金、半導体、ハンダ 等
四塩化イリジウム(Iridium Tetrachloride)1ml中 四塩化イリジウム 10mg含有歯科用材、合金 等
臭化銀(Silver Bromide)1g中 臭化銀 20mg含有歯科用材、医薬品、貨幣、乾電池、鏡 等
重クロム酸カリウム(Potassium Dichromate)1ml中 重クロム酸カリウム 5mg含有歯科用材、セメント、医薬品製造、ステンレス等
硫酸クロム(Chromic Sulfate)1ml中 硫酸クロム 20mg含有研磨材、医薬品、釉薬、防腐材 等
硫酸ニッケル(Nickel Sulfate)1ml中 硫酸ニッケル 50mg含有歯科用材、腕時計、塗料、ニッケル触媒 等
塩化亜鉛(Zinc Chloride)1g中 塩化亜鉛 20mg含有歯科用セメント、合金、医薬品、医薬部外品 等
塩化金酸(Gold Trichloride・Acid)1ml中 テトラクロロ金酸 2mg含有歯科用材、貴金属装飾品、メッキ 等
硫酸銅(Cupric Sulfate)1ml中 硫酸銅 10mg含有歯科用、材合金、医薬品、顔料、銅メッキ 等
塩化第二水銀(Mercuric Chloride)1ml中 塩化第二水銀 0.5mg含有合金、消毒剤、皮革、染料、防腐剤、駆除剤 等


歯科で用いられる金属について

歯科では、様々な金属元素が合金、その他の形で、用途に応じて使用されています。

主な歯科用合金

  • 金合金
    金は、他の元素とよく溶け合い、応用性や生体適合性も高いため、極めて多種類の金合金が作られています。
    金を主成分として、さらに金の特長を生かすために、銀や銅等を少量加えた合金です。主に臼歯部のクラウン、インレー、ブリッジ等に用いられます。

  • 白金加金合金
    金合金に、4~10%の白金(プラチナ)を加えることで、硬度、強度、耐蝕性を向上させた合金です。
    強度の求められるブリッジや義歯のバー、スクラブ等に用いられます。
    但し、最近では、口腔内における金属特有の光沢を、審美的な側面から敬遠される方が増えています。セラミックとの相性の良さから、白金加金合金の機能的な長所を生かしつつ、審美性を向上させるために、セラミックコーティングされた白金加金合金の補綴物(被せ物、詰め物、ブリッジ)を選択されるケースが、近年、急増しております。
    セラミックに関する詳しい情報は、こちらへ


  • パラジウム金銀合金
    金や銀をベースにし、その機能的弱点を補う為に、パラジウムを多く添加された合金です。
    金の耐摩耗性、そして、銀の耐蝕性、耐硫化性という最大の欠点を補う意味で、パラジウムが添加されています。
    但し、金や銀に比べ、パラジウムは硬くもろい金属です。そのため、精密な技工操作が困難となります。
    パラジウム金銀合金は、金合金や白金加金合金と比べると、鋳造性、耐蝕性、口腔内での変色や汚れやすさなどで大きく劣ります。
    現在の保険歯科治療で、最も多く使われている合金(いわゆる銀歯)です。その耐久性に関して歯科医からの説明が全くなく、治療に使用されることが多いのが現状です。合金の劣化に伴う虫歯(2次カリエス)等の歯科疾患を生じ、後に神経を抜いたり、歯をさらに削る等の、再治療の必要性が高まる症例が多くみられます。

  • 銀合金
    歯科用金属としては日本独自のもので、安価なため、保険診療適応材料として、広く使用されています。
    銀、スズ、亜鉛、インジウムなどを主成分とし、技工操作が容易ですが、機械的性質や耐蝕性にやや難があります。
    耐蝕性の問題により、口腔内で短期間で酸化し、黒色へ変色します。

  • 銀アマルガム合金
    成分の約50%が水銀の合金。水銀と銀、スズ、銅等を錬和し、硬化させて、口腔内の充填用として使用します。健康保険が適応され、かつては広く使用されていた材料ですが、辺縁破損が起こりやすいため、二次カリエス(虫歯)の発症頻度が高く、また、水銀による人体と環境への影響の懸念から、使用しない歯科医院が増えています。
    歯科用の水銀は無機水銀を使用されています。但し、無機水銀もメチル化水銀等、有機化すると、水俣病等の原因となった有害な水銀となります。

  • コバルトクロム合金
    コバルト45~75%、クロム20~32%を主成分とする合金です。金属床義歯の床や、矯正装置に使用されています。
    さらに、20~40%のニッケルが含まれるものは、コバルトニッケル合金として区別され、金属床やスクラブ、バーなどに用いられます。
    また、機械的性質に優れているチタンを5~10%添加した、含チタンコバルトクロム合金もあります。
    金属義歯を使用の方で、金属アレルギーでお困りの方は、こちらへ

  • ニッケルクロム合金
    主成分のニッケルにクロムを添加した合金で、ワイヤーや床として使われます。
    しかし最近では、ニッケルの溶出傾向が大きいことや、操作性の悪さから、歯科における有効性の低下がみられます。

  • ガリウム合金
    合金化しても、蒸発して組成変化を起こすことが少ないため、コバルトクロム合金や、ニッケルクロム合金に添加して用いられます。
    また、融点の低さを利用して、水銀アマルガムに代わる充填材を作る試みが、行われています。
    ただし、ガリウムは添加量が多くなると、不安定な酸化膜(まだら模様)が生成しやすくなり、接着強度が弱くなります。

 これらの合金には、メインの金属元素の性質を補助し、合金としての機能を向上させるために、微量金属元素が添加されています。細かな組成は、メーカーによって異なります。

パッチテスト検査を行う前に

パッチテストで陽性反応を示した金属や材料は、アレルギー疾患の原因である可能性がありますが、その他の原因物質や病因、環境条件などが合併して、症状が現れる可能性も考えられます。したがって、パッチテストで陽性が出た場合でも、この検査のみでは、症状や疾患との関連性について、確定することはできません。

また、アレルギー、免疫、炎症を抑える効果のある薬などを服用していると、パッチテストの反応が抑えられる場合がありますので、薬を服用の際は、事前にお知らせ下さい。

その他、パッチテストを行う際に守って頂くべき項目がありますので、詳しくは、担当の医師に説明を受けて下さい。

パッチテストは、歯科で使用されるおそれのある17種類を、検査することができます。
当医院で検査をご希望の方は、お手数ですが、事前にお電話にてご連絡下さい。

一般歯科においては、皮膚を用いたアレルギー検査であるパッチテストには、健康保険が適応されません。
皮膚科でパッチテストを行われた場合は、検査結果をご持参頂ければ、それに応じた歯科診療を行いますので、事前にお電話にて、その旨をご連絡下さい。

※当医院から、医療機関をご紹介する場合には、実際に問診、各種検査・診査を行い、診断する必要があります。
診断を行わないことには、どの様な医療機関の診療科をご紹介してよいか、判断がつかないためです。
診査・診断を行わない段階での、各種医療機関へのご紹介は行っておりませんので、ご了承下さい。

上記記事は、
銀座池渕歯科
東京都中央区銀座5-8-16銀座ナカヤビル3F
TEL:03-5537-0335
からの情報発信です。この記事を見て通院したいなと思う方は、以下をクリックしてください。
http://ginza-dental.jp/


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