回答
歯科医院に通院していて、「残念ですが、この歯は抜かなければなりません」という言葉を聞くと誰しも一瞬ドキッとするものです。
歯を抜くにあたっての予備知識として解説します。
麻酔の方法は、全身麻酔と局所麻酔の2つに大きく分けることができます。
通常、歯を抜く場合は、局所麻酔(治療する範囲のみを部分的に麻酔する方法)の中の浸潤麻酔という方法で行います。
このとき用いる麻酔薬は劇薬の指定を受けていますが、使用量が1ml~5mlと少量なことと、メーカーからアレルギーの少ないものが開発されていますのでほとんどの場合心配いりません。ただし、アレルギー体質の方は注意が必要です。
また、体内に入った麻酔薬は、血清や肝臓中で速やかに分解され尿と共に排泄されます。ですので、妊婦の方にとっても、麻酔薬が胎盤を通過することはなく安全です。
一方、麻酔をするときに用いる注射の針のサイズは、歯科のものは医科のものより細く出来ていますので、刺したときの痛みも軽減されています。それでも注射が恐いという方は、針を刺す前に予めその部分をしびれさせるために、表面麻酔を塗る方法があります。
麻酔の前の予備知識
・麻酔は唇の近くにすると唇がしびれ、鼻の近くは鼻が詰まった感じがしたりします。
・麻酔薬の中には、使用量が僅かでも効果が長持ちするように、“血管収縮剤”というものが入っています。その薬の影響で、麻酔の後、心臓の鼓動は激しくなり、一時的に血圧が上昇します。
高血圧の方や、以前に麻酔を打って気分が悪くなったり、アレルギーの出た方は、予めお申し出下さい。
心臓に疾患があったり、喘息、アレルギー体質の方も予めお申し出下さい。
麻酔の後、気分が悪くなったり(宙に浮いた感じになったり)、頭痛が生じたときは、その旨を医師に伝えてください。
・治療前に緊張している場合は、別のこと(楽しいことやおもしろいことなど)を考えたり、足上げ腹筋をしたりして、気を紛らわして下さい。呼吸は深くゆっくりしてください。
レントゲンを撮って予め抜く歯の状態を調べたりしますが、平面で見る写真と実際は異なっていることが多く、歯と骨や歯茎が癒着していることもあり、意外と抜くのが大変なことがあります。
特に、複数の歯の根がそれぞれ足を広げている場合や、歯根が曲がっている場合、斜めに生えている場合などは、抜くのに時間がかかります。
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